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山代悟がそれぞれ指導・主宰を行う芝浦工業大学建築学部プロジェクトデザイン研究室とビルディングランドスケープの合同チームで無人販売所の提案を行う。

 

研究室活動の一つである二地域拠点に関するプロジェクトの一環として、千葉県館山市富崎地区を対象とする。富崎のある房総半島は都心からのアクセス、美しい景観が魅力で二地域拠点としてのポテンシャルを持った場所である。

しかし、高齢化や台風15号による被災の影響で今後買い物難民の増加、慢性的な人手不足に陥る可能性がある。そこで、二地域居住者と人口減少といった2つの課題に対応した無人販売所を計画する。

 

2つのL字型の棚ユニットによるボックス型無人販売所は天候、使われ方に応じて開閉することが可能となっている。また、私たちの提案する「おつかい」システムの拠点としての機能を持つ。トレーラーによる移動を見据えた寸法になっており、点在させることで地域を網羅したネットワークの構築、二地域居住者と地域の接点となる場の形成を目指す。

shibaura institute of technology project design lab./Satoru Yamashiro+ buildingLandscape/
A joint team of buildingLandscape Co., Ltd., which Satoru Yamashiro presides , and the Project Design Laboratory which he guides, Faculty of Architecture, Shibaura Institute of Technology, proposes an unmanned sales office. As a part of the project on two regional bases, which is one of the laboratory activities, we will target Tomisaki district (Tateyama city, Chiba prefecture). The site is a land that is accessible from the city center and has a beautiful landscape, and has the potential as a base for two regions. However, due to the effects of the aging population and the damage caused by Typhoon No. 15, there is a possibility that the number of shopping refugees will increase and a chronic shortage of labor will occur. Therefore, we plan an unmanned sales office that responds to the two issues of two local residents and population decline. The box-type unmanned store with two L-shaped shelf units can be opened and closed depending on the weather and usage. It also functions as a base for the "Otsukai" system that we propose. The size is designed with the trailer in mind, and by making it scattered around the area, we aim to build a network that covers the entire area, and to create a place that serves as a point of contact between the residents in the two areas and the area.

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千葉県館山市富崎地区。

房総半島の南に位置するこのまちは、明治時代よりマグロ漁が盛んに行われ、漁業を中心に繁栄した。1904年の夏には、画家の青木繁が友人とともにこのまちに滞在し、彼の代表作のひとつでもある「海の幸」は富崎の海を描いたものである。

​今では漁業も昔ほど盛では行われなくなり、人口減少により小学校は廃校となり、また地区内の高齢者率の割合が約72%、その中の65%が独居している。

一方で近年、移住や二地域居住先の一つとして房総半島が注目されている。東京などの都市部から車で2時間ほどで海や里山のある風景が広がる世界に行けるため、仕事や子育てなどあらゆる面で自然を求めてやってくる人が増えている。

また新型コロナウイルスによる影響で地方と都市部の関係も変わってきた。

2019年9月、千葉県を中心に大型の台風15号が襲った。なお館山市では最大瞬間風速48.8 m/sを記録している。富崎地区は特に大きな被害を受け、約半数の住戸が大きな被害を受けている。主な被害は屋根瓦の剥離、飛んできた瓦による建物や自動車などへの損傷が多い。さらに富崎地区の一部では台風直撃から10日間ほど停電が続いた地域もある。

その後、災害ボランティアの活躍などにより損傷した屋根にブルーシートがかけられ、業者による補修作業も進んでいる。しかし、一年経過した今でもいまだにブルーシートのかかる家はあり、空き家となって放置されている。元々の高齢世帯が多い中、別のまちへ引っ越す人も多く、急速にまちの空洞化が進んでいる。

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このまちに関わる人を増やす

「昔から小さな暮らしをつくってきた歴史があり、かざりっけはないけど嘘がない人がいる。災害があったということを含めて忘れられないということ、そして多くの人に興味を持ってもらうということが今の富崎においてすごく大切なことだと思う。」

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NPO法人 おせっ会 八代健正さん

富崎地区で移住促進に取り組まれ、2019年台風15号により被災したまちの災害ボランティアの受け入れ等に積極的に携わる。

八代さんに詳しくインタビューしたものはこちら

​芝浦工業大学プロジェクトデザイン研究室note

proposal

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​人と人が関わり合うきっかけとなる無人販売所

まちに住む人々と二地域居住者が直接交流する場はまだまだ少ない。 本提案における無人販売所ではそれら交流の小さなきっかけとして、「買い物」という生活動線を設定し、 それらがこの港町をどう変えていくか、ありうるべき将来像について提案したい。

​これをトミサキボックスと名付けた。

トミサキボックスの使い方

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無人販売所の商品の入れ替えや行政サービスのサポートなどを、二地域居住者がインターネットを利用しながら行うシステムとする。

富崎に住む人々のおつかいを二地域居住者が行うことで、それぞれが交流するきっかけになる。

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work space

video chat

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shopping

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ボックスは開け閉めを可能としている。

​買い物など商品が並ぶ際には開き(open)、普段使わないときなどは閉じている(close)。また閉じている際にはワークスペースとして仕事もでき、遠くの人とビデオチャットをすることもできる。

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​漁港ちかくのトミサキボックス

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・普段からまちの人たちが集まる漁港近くに配置。

・釣りが好きな人が釣った魚を入れる水槽

​・少しだけ休むことができるベンチ

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大通り沿いのトミサキボックス

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・他のまちに繋がる通り沿いに配置。

・後ろの木々の木陰で休める小上がり。

​・まちのイベントを知らせるディスプレイのある掲示板

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まちのポイントに置いていく。

住人がふだん使う道をサーベイし、それらの道沿いで交差点や

集まりやすい場所をプロット。

​それぞれの場所に置かれたトミサキボックスが拡がっていき、

やがて人と人がそれぞれまちと関わり合いをもつ景色をつくる。

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